この記事ではキューブから動物をローポリゴンでモデリングする方法を紹介します。
Blenderを使い始めてまもないころは動物のモデリングどのようにすればいいのかイメージがつかない方も多いと思います。
動物のモデリングをするときにも抑えるべきポイントがありますので、そのポイントさえつかめればうまくモデリングできるようになります。
写真資料を多く集め、動物の筋肉や骨格をイメージしてモデリングしていくという点は人体と共通しています。
あまり構えずに楽しんでモデリングしていきましょう!!
今回はBlenderで馬をモデリングしてみます。
キューブから細分化 (subdivide)でポリゴンを増やし、そのポリゴンを編集してスカルプトツールで馬のデティールを作っていきます。
この記事を読めばBlenderで動物のローポリモデリングをする一連の流れを把握することができます。
それでは、行ってみましょう!
こちらの—HORSE—やさしい馬の描き方は2Dの馬の絵の描き方を説明していますが、馬の筋肉や骨格など体の構造についても解説があるので3Dでモデリングする際にも役に立ちます!
馬のリアルな姿を参考にしたい方はこちらの世界で一番美しい馬の図鑑も参考にしてみてください!美しい写真が豊富です!
Blenderとは
Blenderが全く初めての方のために軽く説明しておきます。
Blenderは無料で無料で使える統合3DCGソフトです。
統合3DCGソフトとは、キャラクターなどの形を作るモデリング、デジタル空間の中で彫刻作品を作るようなスカルプト、アニメーション、エフェクト、映像作成…と3DCGに関することであればほぼすべて何でもできるソフトウェアということです!
それだけのことができるのに、有料のソフトウェアにも劣らないすごいソフトなんです。
興味のある方は無料なのでぜひダウンロードして使ってみてください!
Blenderほか、ここで使っているSubstancePainterなどについての情報はこちらをご覧ください。
Blenderで馬をモデリングする理由
馬のモデリングを覚えたほうがいい理由
今回は動物のモデリングということで、ゲーム用のCGモデルとして使用することを想定し5000程度のローポリゴン数のモデルで馬をモデリングします。
なぜ馬かと言うと、馬は全身が長い毛でおおわれているわけではないので体型や筋肉の隆起がとらえやすいのです。
動物モデリングの入門に適していると言えます。
犬や猫と違い、馬は住んでる場所によっては身近な動物というわけにはならないですが
一度作り方を覚えれば他の四足歩行の動物をモデリングするときに体の構造をイメージしやすくなります。
「—HORSE—やさしい馬の描き方」の本でも「すべての動物画の基本は馬から!」と言っています。
馬のモデリング技術は様々なジャンルで有用
また、ご存知のように以下のような作品でも馬はよく登場します。
・中世ヨーロッパ、ファンタジーの世界を舞台にしたゲーム、アニメ、映画
・戦国時代などの歴史をテーマにしたゲーム、アニメ、映画
・競馬ゲーム
これから3DCGを扱う仕事をしたいと思っている方も、馬のモデリングができればその技術は重宝するかもしれません!
これから紹介する方法を踏み台にして、どんどんかっこいい3DCGモデルを作れるようになっていって下さい!
Blenderで馬をモデリング
では、ここから実際のモデリング作業に入っていきます!
参考資料準備
まず資料となる画像を用意しましょう。
やはり3DCGのモデリングではいい資料が多くあるほうがイメージが作りやすくなります。
世界で一番美しい馬の図鑑のような本がある方はそれを参考にしましょう。
ない場合はネット検索でもおおむね大丈夫です。(笑)
この記事に登場している馬の画像はフリーの画像サイトであるO-DAN (オーダン)から取得しました。
ブログを書く際に挿入する画像をここからダウンロードする人も多いと思いますがきれいな写真も多いので資料写真としても使えます。
キューブ(Cube)から馬の形を作る
馬をモデリングしていきます。
Shift+A でキューブ(Cube)を3Dビュー内に出します。
それを細分化(subdivide)で面を増やし、押し出しで前足、後足、尻尾を作っていきます。
さらに細分化(subdivide)とポリゴン編集を繰り返し、スカルプトの前段階のポリゴンモデルを作成します。
ここまでで大まかな馬のモデリングができました。
尻尾を水平に伸ばしているのはあとからアニメーションの設定をするときに作業をしやすいからです(笑)
ここからスカルプトツールで細部を作っていきます。
馬のスカルプトモデリング
スカルプトツールで馬のボディをモデリング
ここからはスカルプトモードでの作業になります。
先ほどモデリングした大まかな形の馬にさらにリメッシュをかけてポリゴンを細かくしていきます。
モードをボクセル、ボクセルサイズを0.001mにしてボクセルリメッシュボタンを押しします。
それより小さい値を入力しても問題なさそうでしたらそれでもOKです!
(もしうまくいかない場合は編集モードに戻って細分化(subdivide)を繰り返してみてください!)
こうすることでポリゴンの面が細かくなりスカルプトの作業がしやすくなります。
スカルプトモードで細部を作りこみ
ここからようやくスカルプト作業です。
主に使う機能は以下の物です。
・ドロー …基本の平面の盛り上げ
・ドローシャープ …溝を作成
・クレイストリップ …角ばった形で盛り上げる
・エラスティック …選択した面を移動させる
上記を使いひたすら形を作っていきます。
その際に、筋肉や骨格、皮膚の伸び、血管の盛り上がりなどを資料をよく見て確認し、意識してスカルプトするとうまくいきます。
筋肉質な馬になりました。
これでひとまず基礎となるハイポリモデルが完成とします。
続いてローポリモデルを作る方法です。
馬のモデルのリトポロジ
リトポロジでローポリゴンのモデルを作ります。
この時、後にアニメーションを入れることを考えて関節部分をアニメーションしやすいポリゴンの割に修正します。
例えば、前足ならこのようにします。
ポリゴンの面の流れと密度を変えるとアニメーションさせた時にテクスチャが変に伸びるのを防ぐことができます。
UV設定
シームを設定しUVを決めます。
UVをこのようにしました。
これでひとまず馬のローポリモデルは完成です。
おまけ:SubstancePainterでテクスチャ作成
SubstancePainterでテクスチャを作りました。
3DCGをもっと学びたいという方には3DCGのスクールがオススメです!
3DCGは独学で学ぶこともできます。
しかし仕事レベルのスキルを身に着けるには独学ではものすごく時間がかかります。
というかそもそもどんな技術が必要なのか、どんなレベルを目指せばいいのか、その知識や情報が手に入る段階に達するのにも時間がかかってしまいます。
趣味で作りたいものを作るだけなら独学でも十分です。
しかし将来3DCGデザイナーになりたいのなら専門的な教育を受けたほうがスキルアップも確実に早くできます。
実際に必要なスキルは何か知ったうえで経験豊富な講師の方から指導を受けましょう!
これから3DCGを学びたい方は3DCGのスクールにいくことも検討してみましょう。
まずはこちらから資料請求し、体験説明会にも参加してみましょう!(どちらも無料で出来ます!)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
人間も動物も同じですが体の構造、筋肉や骨格を観察しておくだけでもかなりイメージがしやすくなると思います。
モデリングしようと思っている対象を実際に見ることができれば最高です。
ですがそうでもない場合でもしっかりと資料を集めてイメージを作ってからモデリングすればよりリアルなものが作れます。
①まず資料をしっかりと集める(あるいは実物を観察)
②イメージを作る
③モデリング開始
この流れを忘れないようにしましょう!
今回使ったBlenderとSubstancePainterについての情報はこちらからどうぞ!
最後に参考書籍をもう一度紹介しておきます。
最初のうちは観察だけで動物の姿をイメージするのは難しいです。
どういったポイントを押さえればいいか本を読んで学ぶと後々のレベルアップにもつながります。
—HORSE—やさしい馬の描き方
実際に馬の姿を見ることができない場合は高度な写真が役立ちます。
やはり出版物のほうが写真がきれいです。
世界で一番美しい馬の図鑑
是非上記の本を参考にしつつ、モデリングを楽しんでいってください!