ボーンをいれてコントロールリグを設定してそこから手付でアニメーションさせる。
それらの作業全部を自分の手で行うのはけっこう時間がかかります・・・。
そんな時、Mixamoというツールをうまく取り入れると時短で作れるようになります!
実際に使ってみたところ、キャラクターモデルにボーンを入れる→リグ設定→アニメーション作成で過去には数時間かかっていたものが数十分で完成させらるようになりました。
この記事ではMixamoの使い方を3ステップで解説し、その後Blenderで調整する方法も1つ紹介します。
この記事を読めばMixamoを使ってアニメーション作成を時短で作成できるようになります。
アニメーションをスムーズに作れるMixamoとは
Mixamoは、Photoshopなどのグラフィックツールで有名なあのAdobeが運営しているアニメーションデータベースのサイトです。
モーションキャプチャーで作成されたアニメーションデータは2000以上にもなります(2021年現在)。
自分で用意したキャラクターを読み込んでリグのセットアップを行い、それらのアニメーションをアタッチして使うことができます。
そのうえ商用利用も可能。無料で3Dアニメーションを作れてしまうのです。
これで無料なんてなにか裏があるのか?と疑ってしまうかもしれませんがその心配はいらないと思います(笑)
これを使えばこれまで面倒だったリグのセットアップとアニメーション作成も時短で作成できるようになるでしょう。
Mixamoでアニメーションを作る基本操作
ひとまずサイト内の既存データを使って大体の基本的な使い方を解説します。(画像はMixamoのサイトより)
上記のサイトにアクセスし、右上の Sign up から次の画面に進みアカウント作成を済ませましょう。
Mixamo内の既存のキャラクター選択
まずキャラクターのデータベースを見てみましょう。
トップ画面の Browse Characters のボタンかCharacters の項目をクリックするとアクセスできます。
とりあえず左上の Warrok W Kurniawan を選択します。
すると右側のビューに選択したキャラクターが表示されます。
こちらにアニメーションをアタッチさせます。
Mixamo内のアニメーション選択
キャラクター選択をしたら次はアニメーションをアタッチしてみましょう。
画面上部のAnimationsの項目を選択し(①)、
一番最初の位置にあるShoved Reaction with Spin のアニメーションデータを選択します(②)
歩いているところに他人にぶつかられて振り向くようなアニメーションが再生されるようになります。
これだけでアニメーションが作れてしまうのです。簡単ですね!
他に走る、ジャンプする、パンチやキックを打つ、といったアニメーションもあるのでいろいろ試してみましょう。
次に、自分でモデリングしたキャラクターにアニメーションデータを入れてみたいと思います。
Mixamoで自分でモデリングしたキャラクターにアニメーションさせる4ステップ
今回はモデリング練習のために自分で作った鬼滅の刃の上弦の参・猗窩座(あかざ)をアニメーションさせてみたいと思います。
自分でモデリングしたキャラクターを使う場合はキャラクターモデルを読み込めば上記までと同じようにアニメーションさせることができます。
以下の4ステップで解説していきます。
①Mixamoにキャラクターモデルをアップロードする
②MixamoのAuto Riggerでキャラクターのリグをセットアップする
③Mixamoでキャラクターにアニメーションをアタッチする
④Mixamoで作ったアニメーションデータをBlenderで調整する
①Mixamoにキャラクターモデルをアップロードする
画面右のUPLOAD CHARACTER を選択しましょう。
ファイル選択画面になりますのでそこに使いたいキャラクターをアップロードしましょう。
Blenderでモデリングした猗窩座を今回はアップロードしてみます。
Select character file の部分を選択するか破線枠内にドラッグ&ドロップすればアップロードできます。
Uploadingの街画面です。
バーがフルになったらアップロード完了です。
マシン環境や、はキャラクターのポリゴン数が多すぎるなどデータが重い場合はアップロードに時間がかかるかもしれません。
(場合によってはアップロードができないかも・・・)
そのような場合はポリゴンを減らしてデータを軽くするなど調整してみてください。
②MixamoのAuto Riggerでキャラクターのリグをセットアップする
猗窩座のモデルが読み込まれました。
テクスチャは読み込まれないようですがMixamoの中ではアニメーションが設定できればいいので今回はこのままNextを押して進みます。
テクスチャやマテリアル情報は3DCGのソフトやゲームエンジンに読み込む際には指定されたとおりに表示されますので問題はありません。
リグをセットアップしていきます。
左側の色のついた円をキャラクターの各体の部分にアタッチしていきます。
各円とパーツの組み合わせは以下の通りです
CHIN :顎
WRISTS :左右の手首
ELBOWS :左右の肘
KNEES :左右の膝
GROIN :股関節
*肘と手首は指定があるのに何で脚は膝だけで足首がないんだ?と思うかもしれませんがこれで動くようになるので大丈夫です!
各パーツの指定が完了しました。
肘や手首など、正面から見てその関節にあたる部分の真ん中に円の中心があれば問題ないでしょう。
指定しおえたらNEXTのボタンを押します。
リグをオートでセットアップしている間はキャラクターが回転する画面が表示され、それが終わると上記の画面になります。
キャラクターが周囲を見ているようなアニメーションをしていますね。
正直言うとこれだけでは関節の曲がり具合などわかりませんが、それほど変でなければNEXTを押して次に進んでしまいましょう。
キャラクターのアップロードが完了するとこのような画面になります。
「アップロードが完了しましたが、このまま進めてもいいですか?以前に使用していたキャラクターデータはセーブされませんよ}
という意味の内容のメッセージが出てきます。
こういうメッセージはもっと早い段階で出すべきなんじゃないのか?と突っ込みたいですが今回はとくに問題ありませんのでこのまま進めます。
③Mixamoでキャラクターにアニメーションをアタッチする
キャラクターがリグ付きで表示されました。
ここから左のアニメーションを選択していろいろ動かしてみたいと思います。
画面左上の検索バーにRunなど使いたい動作名をいれるとそれに関連するアニメーションが表示されます。
まずはRunで検索し、走るアニメーションを探してみます。
その中にあったFastRunというアニメーションをアタッチしてみました。
勢いよく走るアニメーションになりました。
次はPunchで検索し、PunchComboというアニメ―ションを入れてみました。
パンチを四連打するアニメーションがアタッチされました。
右側のスクロールバーでアニメーションの速度や手の高さなどを調整できます。
この場合はOverdriveという項目をもともと50だったところ100にしました。
もともとの二倍の速度でパンチを連打するようになっています。
スクロールバーの値によってアニメーションパターンを調整できますのでイメージする動きになるように調整してみましょう。
🔲Mirror のチェックボックスにチェックを入れると左右逆のアニメーションになります。
この場合は右足が後ろに少し下がった状態になっていますが、チェックを入れることで左足が後ろのポーズになります。
例えばボクシングなどの格闘技では右利きの人は右足右手を後ろにして構えますが左利きの人は左側を後ろにします。
もし自分の作りたキャラクターの利き腕の方向と違うと思ったらチェックを入れて左右逆にしてみましょう。
Mixamo上だけで完全な調整をすることは難しいですがこれでいいかな~と思えるレベルになったらDownlodしましょう。
ダウンロードしたアニメーションデータはFBX形式などにすればBlenderやMAYAなどの3DCGソフトで編集できますので細部はそこで調整してみましょう。
Mixamoのアニメーションの多くはモーションキャプチャーで作成されたものだと思われます。
実際の人間の動きに近い動きですね。
しかし、ゲームなどでは演出の目的で実際より速い動きにしてあったりします。
ゲーム中で操作するときにユーザーが面白いと感じられるような速度や、キャラクターの設定に似合うアニメーションに加工してみましょう。
④Mixamoで作ったアニメーションデータをBlenderで調整する
ここまでで自分でモデリングしたキャラクターにアニメーションを設定することができました。
Mixamoを使った一連の作業の流れとしてはここまでです。
しかし、これでは実は不十分です。
欠けている要素が一つあります。
それは・・・
「キャラクターらしさ」です!
Mixamoにあるアニメーションデータの中には現代的な格闘技のアニメーションしかありませんでした。
「鬼滅の刃」の漫画やアニメを見た人なら感じると思いますが、Mixamoからダウンロードしたままのアニメーションデータでは猗窩座の構えっぽくないですよね?
せめてもう少しそのキャラクターっぽいポーズに調整しましょう。
キャラクターのポーズについて
ここで猗窩座というキャラクターが使う武術について少し考えてみたいと思います。
その武術の名前は素流という江戸時代にはすでに日本に存在していた武術、ということになっています。
日本の古来からの武術は全体的に腰を低く落とした構えをしますが、この素流もそういった構えをするようです。
そのあたりも考えてポーズを調整したいと思います。
Blenderでポーズ調整するためのアドオン「Mixamo Rig」
ここからはMixamoで作ったアニメーションデータをBlenderでコントロールリグを使って調整する方法を紹介します。
ポーズ調整にはこちらのアドオンを使うと便利です。
Get the Add-on のボタンを押してアドオンファイルをダウンロードします。
①メニューバーの編集からプリファレンスを選択
②インストールボタンを押してダウンロードしたアドオンのファイルを選択(mixamo_rig_zip などの名前)
③Animation_Mixamo Rig のチェックボックスにチェックを入れて有効化します。
①メニューバーの編集からプリファレンスを選択
②インストールボタンを押してダウンロードしたアドオンのファイルを選択(mixamo_rig_zip などの名前)
ダウンロードしたzipファイルを解凍せずにそのままインストールすればOKです。
③Animation_Mixamo Rig のチェックボックスにチェックを入れて有効化します。
Mixamo Rigでポーズやアニメーションを調整する
Blenderの場合、Mixamo Rig がインストールされていれば3Dビューの右側にMixamoというタブが表示されます。(①)
そのタブを選択した状態でCreate Control Rig を押します。
コントロールリグが出現しました。
この正方形や円、立方体を適度に移動・回転させてポーズとモーションを調整します。
腰を落とし、手足の位置を変えるなどしてて構えを調整しました。
最初の現代格闘技っぽいポーズと比べて、より原作の猗窩座の構えに近いポーズになったと思います。
術式展開 破壊殺・羅針
…的な感じでUnrealEngineに読み込んでライティングつけてみました。
進行の都合上アニメーション動画はアップしませんが突き(パンチ)を打ち出すアニメーションも調整しました。
Mixamoでリグをセットアップしてアニメーションデータを作れば制作がスムーズです
今回はアニメーションデータベースであるMixamoを使ってアニメーションを制作する方法を紹介しました。
もう一度その手順を復習してみましょう。
①Mixamoにキャラクターモデルをアップロードする
②MixamoのAuto Riggerでキャラクターのリグをセットアップする
③Mixamoでキャラクターにアニメーションをアタッチする
④Mixamoで作ったアニメーションデータをBlenderで調整する
多くの場合キャラクターモデルはキャラクターが棒立ちで腕を広げたような状態で完成させられます。
そこからアニメーションを一からつけていくのは時間がかかって大変です。
しかしMixamoでアニメーションを作るとリグのセットアップとアニメーション作成までがスムーズに行えます!
ここからキャラクターの設定に合わせてポーズを調整していくといいでしょう。
アニメーション制作で面白いのはそのキャラクターが持っているキャラっぽさだとかアクションの勢いを強調することなどにあると思います。
リグ設定だとか面倒なところはコンピューターの力でさっさと済ませて人間がやるべきところに集中したほうが絶対いいに決まってます!
ベースのアニメーションは既存データを有効活用し、作品の世界観やキャラクターにあったアニメーションを作っていきましょう!