人体のモデリングってどうやればいいですか?
うまく作れるようになりたいっす
このような方のために人体のモデリングがうまくできる方法を紹介いたします。
人体は私たち人間がなまじよく知っているものであるため少し形があっていないというだけで違和感を持たれてしまいがちです。
そのため難しいと思ってしまいますが、コツと方法を押さえれば誰でもうまくモデリングできるようになります。
この記事では人体をモデリングする具体的な手順3つと、これがあれば役に立つ一つの知識を紹介いたします。
この記事を読んでBlenderでの人体モデリングをマスターしてしまいましょう。
Blenderで人体をうまくモデリングする手順3つ
この記事では基本的な人体の形を作る方法を3つ紹介します。
- キューブ(立方体)から面を押し出しまくって人体をモデリングする
- シリンダー(円柱)を組み合わせて人体をモデリングする
- 素体から調整して人体をモデリングする
また、多くの教本などでは最初に人体のラフ画やイメージ画を用意してそれをトレースするようにモデリングする方法を紹介しているかと思います。
しかしこの記事では若干異なり、最初にだいたいの人体の形を用意しておいてそこから画像をトレースして調整する方法を紹介します。
この方法は最初からトレースするよりも少し効率がいいのです。
それでは各方法を見ていきましょう。
キューブ(立方体)から面を押し出しまくって人体をモデリングする
オーソドックスな方法です。
多くのCGモデラ―が最初はこの方法で人体をモデリングしたことがあるでしょう。
この方法も、
- キューブを直方体にして頭、腕、脚をはやしていく方法
- 頭から底の面を押し出して胴体、腕、脚をはやしていく方法
…などと人によって考え方は異なりますが結果は同じです。
どちらでもやりやすい方法で構いません。
ここでは後者の
- 頭から底の面を押し出して胴体、腕、脚をはやしていく方法
という方法でモデリングしていきます。
ここでは上記の画像のような6~7頭身程度の男性の人型をイメージしてモデリングしていきます。
まずはキューブを用意します。(Shift+Aでcube、または立方体を選択)
そのキューブを細分化(編集モードで右クリック、細分化またはsubdivideを選択)人間の頭部の丸みをイメージして形を編集します。
あとで調整しますのでこの段階では大体で構いません。
底の面を選択しその面を押し出します。(編集モードでEを押し下方向に押し出し)
さらにそのまま底の面を押し出して胴体を作っていきます。
このとき一応腰のあたりをくびれを意識して少し細めておきます。
さらにそこから胴体の側面と底面の4つの面を選択し、その面を押し出して腕と脚の原型を作ります。
ここまで人型はある程度できてきましたがご覧のように腕と脚は断面が四角柱のままですね。
細分化でエッジを増やしましょう。
細分化でエッジを増やしたら編集モードからスカルプトモードに切り替え、メッシュの形をならしていきます。
スカルプトツールはデティールを加えるときに使うものだと思われていることもありますがローポリの段階でメッシュを整えるのにも役立ちます。
ドローやフラット化で体に丸みを持たせましょう。
四角柱のようだった腕と脚は八角形ですこし実際の人体に近くなったように見えてきました。
また、肘関節や膝関節、胴体にエッジを増やしておきましょう。(Ctrl + R)
こうして人体で間接にあたる部位にエッジを増やしておけばローポリでもボーンを入れた時に曲げ伸ばしができるようになります。
シリンダー(円柱)を組み合わせて人体をモデリングする
次に、シリンダーを組み合わせて人体をモデリングしていく方法を紹介します。
おおざっぱに胴体、腕、脚、頭の位置にシリンダーを配置し、それを接続させて人体の形を作っていきます。
個人的にはこちらのほうがやりやすいのでもしプリミティブから人体を作ることがあるなら私はこちらの方法を選びます!
まずShift+Aでシリンダー(円柱)を6つ出し、なんとなくでいいので人間らしい形に配置します。
(厳密にいえば画面上ではメッシュをフラットシェードにしているので八角柱ですが)
ここではシリンダーの頂点を8にし、上面と底の面は削除しておきます。(場合によっては胴体は16面などでも構いません)
配置し終えたら表示しているすべてのシリンダーを選択し結合(Ctrl + J)で一つのメッシュにまとめておきましょう.
左右の片側どちらかだけ先に作って後からミラーで反対側も作る方法でももちろん構いません。
辺と辺を選択しFを押すとそれらの選択した辺の間に新しく面を作ることができます。
赤い部分が新しくできた面で、その左右にあるエッジを選択しFを押すことで張ることができました。
これで各シリンダーをつないでいきます。
各シリンダーをつなぎました。
そこから腕、脚、首部分のエッジを選択し押し出し、手首と足首から先・頭部を作ります。
肩、ひじ、膝などの各関節部分にエッジを追加しておきます。
これで円柱から人体のメッシュを作ることができました。
ここまででキューブ、シリンダーから人体を作っていく方法を紹介しましたが、お気づきのように途中段階では胴体や腕脚が伸びきった棒のような状態で不自然だったと思います。
人体の図を用意してトレースし人間に近い形に調整していきましょう。
ここではひとまず私が自分で図を描いたものを表示していますが「人体 3面図」などで検索すれば人体の正面、背面、側面などの画像がたくさん出てきます。
描くのが面倒だなと感じたらそれらを参考にしてもいいでしょう。
Blenderの3Dビュー内に画像をドラッグして正面、側面などからプロポーションを調整します。
人体の形に近くなりました。
人体の原型ができたら必要に応じてメッシュの面を増やしていきましょう。
素体から調整して人体をモデリングする
ここまで上記2種類のモデリング方法を紹介しましたが、それらよりも簡単に人体モデルを用意する方法があります。
それは「他の人が作った人体モデルを加工する」です。
個人的にモデリングする場合でもフリーの3DCG素材をダウンロードしてそれを加工すれば制作時間を短縮できるでしょう。
例えば下記のサイトではフリーでもよくできた3DCGキャラクターがダウンロードできます。
実のところ実際の現場であるCG制作会社やゲーム会社では多くの場合プリミティブからキャラクターモデルを作ることはあまりしません。
ポリゴン数の多いキャラクターをモデリングするときは特にそうです。
やってみたらお分かりいただけると思いますがプリミティブからモデリングするのは非常に時間がかかるものですよね…。
制作会社などでは過去に作成したモデルが豊富にあるので各プロジェクトに登場するキャラクターの設定に近い過去のキャラクターモデルを編集していることが多いです。
…と思うのもごもっともですが(笑)、プリミティブからモデリングできるといいこともかなりあります。
- 業務上でもプリミティブからモデリングする機会が全然ないわけではない
- 著作権などを一切気にせず自由にモデリングできる
- ゼロからモデリングできると何でも作れるような気がしてくる
例えば上記のような理由でプリミティブからモデリングできるといいことがあったりします。
多くの場合素体を加工して作る、とはいえ手持ちの素体とは全然違う形のクリーチャーキャラクターなど作るようなオーダーをこともあります。
そういった場合は部分的にでもプリミティブからモデリングすることもあります。
ネット上からダウンロードしたデータの場合、利用条件が確認不十分でトラブルに発展するケースもあるかもしれませんが自分ですべてモデリングできる場合そんな不安も心配も一切ありません。
プリミティブからキャラクターを作れるということは、3DCG制作ではゼロの状態から物を作れるということになりますよね。
一度ただの立方体からポリゴン数の多いキャラクターを作った経験があると「今の俺なら何でも作れる!」と無駄に自信がついたりします。
こういった無駄に大きな自信は技術レベルアップに勢いをつけることがあるのでけっこう重要だったりします(笑)
忙しいとプリミティブからモデリングするのは面倒ですが、一度でも作った置けばその経験が後々のモデリングに活きることでしょう。
体型ごとにあわせて人体モデルを調整する
人体モデルの原型を編集して様々な体型を作ってみましょう。
男女差:一般的にいって女性と男性では肩や骨盤の幅が異なったりします。
頭部を大きくし、脚の長さや胴体の幅を調整すれば頭身数の異なるキャラクターも作れます。
パワー系の巨体キャラ。胴体、腕脚を太くし巨漢にしました。
人体モデルを素体として作っておくとそこからの調整でいろいろなキャラクターを時間短縮して作れるので個人クリエーターの制作でも便利ですね。
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Blenderで人体のモデリングをする上で役立つ知識1つ
人体のモデリングをする上で役立つ知識、それは
解剖学
です。
基本的に観察して人間の体がどうなっているのか考える過程も必要なのですが、
解剖学的な知識を持っていると人体の構造を理解して表現するのがかなり楽になりますよ。
といっても難解な医学書など読むまでしなくて大丈夫です。
美術用の解剖図の本というのもありますし、または
「解剖図、骨格図、筋肉、anatomy」などのワードで検索すれば画像資料はいくらでも出てきます。
調べてみましょう。
解剖図の詳細は他のサイトに任せるとして、ここでは少し筋肉と人体の話をしておきましょう。
以下に続く応用編で筋肉を強調したキャラクターをモデリングしますので。
極めて簡単に言うと、筋肉は筋繊維が集まって紡錘型になっています。
それらが集まって関節部分の屈伸、回転をできるような構造を作っています。
その周りに脂肪などがついて、さらにそれを皮膚が覆っている、という構造です。
筋肉が発達していて体脂肪率が少ない人は浮き出ていてわかりやすいですね。
モデリングの際はこの構造をなんとなくでも覚えておいて、さらに皮膚のしわや血管なども表現するとリアリティが増すと思います。
解剖学の理解と綿密な観察を意識していきましょう。
ポリゴン数を20000程度にし、手や顔、筋肉の隆起を追加し人体の構造をそれらしく調整してみました。
【応用】キャラクターの体をモデリングしてみる:ドラゴンボール悟空編
ここからは上記でモデリングした素体を使ってキャラクターを作ってみようと思います。
ドラゴンボールの単行本で言えば27巻、ナメック星でスーパーサイヤ人になってフリーザと戦っていたときの悟空をイメージします。
- ドラゴンボールのキャラクターはデザインがよくできている
- 装飾品が少ないのでモデリングしやすい
- 服が破れていて筋肉の構造を表現する練習にちょうどいい
上記のような理由で今回モデリングすることにしました。
キャラクターの体型・性格・状況を考えよう
参考:スーパーサイヤ人 孫悟空 マンガディメンションズ 二次元彩色
まずはモデリングの対象であるキャラクター、悟空の体型について考えてみましょう。
ドラゴンボールの話の設定で成人したときの悟空の体型
- 身長:175cm
- 体重:62kg
となっているようです。
全身筋肉質で上半身は逆三角形、肩の筋肉がとくに発達しています。
悟空の性格とその時の状況について。
悟空は基本的に明るく前向きな性格で細かいことは気にしないようです。
トレーニングして自分が強くなる、より強い敵と戦うことが大好きである。
全力で戦った相手のことを認めてまた戦いたいみたいに思うというまるでスポーツを楽しんでいるかのような感覚を持っている
…原作を読んだところでは大雑把にはこのような印象でしょうか。
…しかし、そんな明るい性格の悟空もフリーザによって仲間のクリリンを殺害され、怒りが頂点に達したことで超サイヤ人となりました。
フリーザと激しい戦いを繰り広げるうちに自分の体は傷つき、服はボロボロです。
しかし、ダメージはうけているが弱っているわけではない、闘志は失われていない
…などと言うようなことを想像し、反映させられたらうまくいくかもしれません。(笑)
ローポリモデリング
素体を調整して筋肉を肥大化し、髪や服なども付けてみます。
髪の毛はカーブにベベル設定などして作りました。
後でUnrealEngineに読み込んで表示するためのモデルができました。
ローポリとはいえこれで80000ポリゴン程度です。
ハイポリモデリング・スカルプティング
Blenderをスカルプトモードにしてデティール追加しました。
筋肉の隆起、皮膚のしわ、服のしわなど追加しています。
テクスチャ設定後
テクスチャをSubstance painterで設定し、ポーズもつけてUnrealEngineでライティングも行い表示してみました。
Blenderで人体のモデリングをマスターすれば何でも作れるという自信が持てます!
今回はBlenderで人体をモデリングする方法3種類と、あると役に立つ知識を一つ紹介しました。
またそれらを用いてドラゴンボールのキャラクター・悟空でモデリングしてみました。
人体をモデリングする方法3種類は以下の物です。
- キューブ(立方体)から面を押し出しまくって人体をモデリングする
- シリンダー(円柱)を組み合わせて人体をモデリングする
- 素体から調整して人体をモデリングする
そして
役立つの知識:解剖学
人体がうまく作れるようになると一気に表現の幅も広がります。 クリーチャーも作れるようになります。
上記のことを意識してモデリング技術をガンガンレベルアップさせていきましょう!
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