この記事ではUnreal Engine で動画および映像制作する方法について解説しています。
UnrealEnginenには3DCGの空間内でキャラクターなどを動かし、カメラアニメーションを設定してCGのアニメーションを制作することができます。
制作した映像はゲームのカットシーンとして使ったり、Youtubeなどにアップするための動画としても使えます。
その気になれば映画すらも作れちゃいます!
私は3DCGデザイナーとしてモデリングやアニメーション制作に加え、カットシーン制作、絵コンテ制作もやってきましたのでこの手の作業の開設でお役に立てるかと思います。
この記事ではUnrealEngineで映像制作手順を基本の設定から映像の書き出しまで解説していきます。
これを読めばUnrealEngineで映像制作の一連の流れが把握できるようになりますのでぜひ最後まで読んでみてください。
UnrealEngineで映像/動画制作する手順
今回は下記の内容でUnrealEngine上で映像作成する手順を解説していきます。
これは一例ですので、完全にこの順番でなくとも もちろん構いません。
- 演出を考える
- オブジェクトの配置
- シーケンサーの準備
- カメラワーク
- カメラエフェクトの設定
- 各カットを連結させ1つのシーンにする
- 映像/動画の書き出し
では順番に解説していきましょう。
演出を考える
上記のような絵コンテ(または)ストーリーボードのようなものを一応作成しておきました。
今回はドラゴン系モンスターのグループが空を飛んでいるところをカメラで映していくだけの映像を制作します。
UnrealEngineで映像制作するときのカメラワークの設定やシーケンサーなどを扱う練習という目的なだけで、あまり深い意味はありません(笑)。
こういったシーンは「ドラゴンの群れが人間の街を攻撃しに行くところ」…とか、そんな設定のシチュエーションにできなくもなさそうですが。
映像の流れ的には以下のような感じです。
- フェードアウトして開始、遠くの空で何かの群れが羽ばたいている
- 羽ばたいているのはドラゴンの群れだった。 カメラの手前、ドラゴンがフレームイン
- ドラゴンの群れを上から見下ろしでおさめるショット 一頭カメラの前を通過していく
- 夕日の方向に飛んでいくドラゴンの群れをバックからおさめる ➡フェードイン
オブジェクト配置
上記のような3DCGの岩山のマップと、ドラゴンのモデルを使います。
どちらの#DCGデータもUnrealEngineアセットストアから入手しました。
背景 : Landscapes Pack
ドラゴン : Quadruped Fantasy Creatures
上記のようにグランドキャニオンのような土地の上空をドラゴンの群れが飛んでいくようなイメージに配置してみました。
ライトシャフトなど設定して、いい感じのライティングに演出してみましょう。
こういうのはお好みで設定してみてください(笑)
シーケンサーの準備
まずはシーケンサーを準備しましょう。
シーケンサーはUnrealEngineで映像制作するする際に必要になるツールです。
これでタイムラインを表示してカメラやキャラクターなどにアニメーションを設定するなどのことができるようになります。
↑上記画像のようにタイムライン上にカメラワークの付いたカットやカメラアニメーションなどをならべることで一つの映像のシーンを制作することができます。
カットごとにシーケンサーを用意します。
4カットの映像にするのでC_01~C_04まで用意しました。カメラのCut01~04という感じですね。
カメラワーク
カメラをレベル内に配置します。
シーケンサーのカメラのアイコンをクリックするとカメラが3Dビューとタイムライン上に表示されます。
1カット目(C_01)をここでは150フレーム、5秒程度の長さにしました。
カットの長さはタイムライン上で手動で調整できるので映像として適したタイミングになるように設定してみましょう。
アウトライナ上でカメラ(デフォルト名:Cine Camera Actor)を選択していればカメラ視点の映像が確認できます。(この画像では右下のウィンドウにあたります)
カメラ視点を確認しつつ、3Dビューでカメラの位置を決めていきましょう。
プロジェクトや担当者によって考え方は様々ですが、ここではひとまずカメラの位置やカットの長さだけをおおまかにきめておき、そこからカメラアニメーションなど細かい作業を進めるという手順で行っていきます。
カメラの位置やアングルを決めたらアニメーションの設定をします。
タイムライン上のTransformの項目の+アイコンをクリックするとカメラにキーがうたれます。
カットの始まりと終わりにそれぞれキーを打ちました。
カメラの移動を直線的にしたかったのでカーブエディターを表示し、カメラのアニメーションカーブを線形補間にしました。
このような感じで他のカットも制作していきます。
カメラエフェクトの設定
カメラエフェクトを設定します。
今回はカメラのフェードイン/フェードアウトのみ設定します。
シーケンサーウィンドウの+トラック>フェードトラックを選択しましょう。
タイムライン上にフェードトラックが表示されます。
1カット目では最初暗い状態から明るくなるようにしたいので0フレーム目で1.0、20~30フレーム目で0.0にしてキーを打ちます。
最後のカットの4カット目では逆に暗くなってカットが終わるように設定します。
各カットを連結させて一つのシーンにする
複数のカットを制作した場合、全体をまとめるシーケンサーファイルを作って各カットをひとつにつなげます。(ここではscene_all としました)
各カットをタイムライン上にドラッグ&ドロップで配置することができます。
映像/動画の書き出し
各カット連結させたら映像に書き出しましょう。
シーケンサー内のレンダリングアイコン(赤枠内のアイコン)を押し、レンダリングの設定をします。
Image Output Format でここではVideo Sequence(avi)を選択、
解像度はブログへのアップ用に軽めにしておき640×360,
出力ディレクトリとファイル名、形式を記入し、
設定ができたらムービーキャプチャを押します。
完成した映像です。
UnrealEngineで映像制作:自作ゲームのカットシーンやプレイ動画に
今回はUnrealEngineで映像制作する方法を解説しました。
最後にもう一度手順を復習しておきましょう。
- 演出を考える
- オブジェクトの配置
- シーケンサーの準備
- カメラワーク
- カメラエフェクトの設定
- 各カットを連結させ1つのシーンにする
- 映像/動画の書き出し
UnrealEngine内でカメラワークなど設定することでゲーム中のカットシーンムービーや商品のプロモーションムービーなども作れるようになります。
また、UnrealEngineでは3DCGでありながらも映画のようにリアルな表現も、2Dアニメーのようなシェーディングの映像も制作することができます。
いろいろな表現を使って楽しい映像を作ってみてください!