この記事ではPremire Proで動画をフェードアウトさせる方法を解説しています。
フェードアウトとは、映像ではだんだんと画面が暗くなったり薄れて終わる効果のことを言います。
それに対するものはフェードインと呼びます。
これは逆に暗い画面からスタートしてだんだんと明るくったり、はっきりと映像が見えてくる効果のことを言います
音楽でも音量が次第に小さくなって消える効果をフェードアウト、無音から次第に音量が大きくなるという効果をフェードインと言います。
フェードイン/フェードアウトの効果があると映像や音楽が突然始まる/終わるのような印象を与えずに済むようになります。
「映像や音楽がこれから次第に始まりますよ/これでこの映像作品は終了ですよ」と感覚的に伝え、ゆっくりと映像の世界の中に入り込んでもらい、見終わったらゆっくりと現実に戻ってもらえる、というような感じでしょうか。
フェードアウトもフェードインも方法は同じなのでこの記事を読んで一度に覚えてしまってください(笑)
Premiereproでフェードアウト/フェードインの効果を表現する方法は何パターンかあります。
この記事ではPremiereProでエフェクトを使う方法とタイムラインを使う方法で映像と音楽それぞれに対しフェードアウト/フェードインを設定する方法を紹介していきます。
この記事を読み終えるとフェードアウトとフェードインの効果を使ってより雰囲気のある動画を作れるようになりますのでぜひ最後まで読んでみてください。
PremiereProのフェードイン/アウトの効果
映像で言うフェードインは真っ暗な状態から次第に映像が見えるようになる効果、フェードアウトは徐々に真っ暗になっていく効果。
音楽で言うフェードインは無音の状態から徐々に音が大きくなっていく効果、フェードアウトは徐々に音が小さくなって無音になっていく効果。
映画などで言うなら、フェードインがなかった場合映像がいきなり始まってしまうかのような印象を与えてしまいます。
このフェードインの効果があるとゆっくりと映像が始まるような印象を与え、見る人に心の余裕をもって映像の世界の中に入り込むことができるようになります。
フェードアウトのほうは映像が次第に暗くなっていくので作品の余韻を味わいつつゆっくりと映像の世界から戻ってくるような印象になります。
これから始まりますよ~、 これでこの作品は終了で~す と、緩やかに伝えるなどの効果があると思われます。
PremiereProで動画にフェードイン/アウトを設定する方法
動画クリップを読み込みタイムラインに配置した状態で開始します。
動画クリップのほうは3DCGの背景をUnreal Engineでレンダリングました。
音声素材はmixkitというフリーの音楽配布サイトからダウンロードしましています。
フェードイン/フェードアウトを設定する方法はいくつかありますが、大きく分けるとエフェクトで設定する方法とタイムラインで設定する方法になります。
まずはエフェクトで設定する方法を解説していきます。
暗転でフェードイン/フェードアウトを設定する
画面右側にあるエフェクトパネル>ビデオトランジション>ディゾルブ と選択して開いていきましょう。
そのディゾルブの項目の中にある暗転を、タイムライン上の動画クリップの両端に一回ずつドラッグ&ドロップましょう。
動画クリップに配置したエフェクトはドラッグで引っ張って尺を変えることができます。
こうするとフェードしていく時間の長さを長くすることができます。
エフェクトの調整は画面左上のエフェクトコントロールパネルでもできます。
フェードイン/アウトに関してはデュレーションでフェードしていく時間の感覚を、ABと表示されたウィンドウ下のスライダーでフェードの透明度を変更できます。
必要に応じて調整してみましょう。
調整した値はタイムライン上のエフェクトに反映されます。
ただ3DCGでつくられた背景を映すだけのビデオクリップの開始と終了にフェードイン/フェードアウトが設定されました。
ディゾルブでフェードイン/フェードアウトを設定する方法
フェードイン/フェードアウトの効果はディゾルブのエフェクトでもできます。
暗転の時と同じように設定、調整すればフェードイン/フェードアウトを設定します。
暗転でもディゾルブでもフェードイン/フェードアウトは設定できる…というのなら、二つの違いって何?どっち使っても同じなの? と思った方。
上記の動画と下記の画像をご覧ください。
- 暗転は徐々に暗くしていく効果(徐々に黒く塗っていくイメージ)
- ディゾルブは徐々に異なる映像に切り替わっていく効果(徐々に透明にしていくようなイメージ)
この二つは異なる効果です。
上記動画の1カット目と2カット目の切り替わりはディゾルブが使われていますので下のレイヤーの映像と上のレイヤーの映像が徐々に切り替わっていくことがわかると思います。
1カット目の開始時のディゾルブが暗転と同じような効果を作れている理由は真っ黒な背景色が透過しているので結果的に暗転と同じような効果になってしまってフェードインが作れている、というだけのことなのです。
タイムラインにキーを打ちフェードイン/フェードアウトさせる方法
タイムライン上の動画クリップにキーを打ちフェードイン/フェードアウトを設定する方法は、エフェクトコントロールパネルで行います。
フェードさせたいタイムライン上の動画クリップを選択しエフェクトコントロールパネルの不透明度の項目の左のアイコンを押すとキーが打たれます。
真っ暗にしたいタイミングでは不透明度0%にし、映像をはっきり見せたいタイミングで不透明度100%にしましょう。
これでフェードイン/フェードアウトが設定できます。
PremiereProで音声にフェードイン/アウトを設定する方法
動画のほうにフェードが設定できたら音声にも設定しましょう。
音声のフェードイン/フェードアウトもエフェクト、タイムラインのキーの両方で設定できます。
エフェクトで音声にフェードイン/フェードアウトを設定する方法
エフェクトで音声にフェードイン/フェードアウトを設定する方法はエフェクトパネル>オーディオトランジション>クロスフェード と選択していきます。
クロスフェードの項目の中に3種類のエフェクトがありますね。
それぞれ音量の変化をさせるのは同じですがその変化の仕方が異なるようです。
音のボリュームをフェードアウトで言う場合、以下のようなイメージでしょうか。
- コンスタントゲイン … 直線的に変化してい消えていく
- コンスタントパワー … 曲線的に緩やかに変化し消えていく
- 指標フェード … 急にトーンダウンして次第に消えていく
大まかには上記のような微妙な差の変化をします。
最初のうちはこれらの変化はわかりにくいと感じるかもしれませんが状況に応じて適した音声データに編集できるようにしていきましょう。
今回はコンスタントパワーで設定します。
動画のエフェクトの時と同じようにドラッグ&ドロップして調整すればOKです。
タイムラインのキーでフェードイン/フェードアウトを設定する方法
音声の音量(ボリュームとも言いますね)もエフェクトコントロールパネルで操作します。
ボリューム>レベルと開いていきましょう。
レベルの項目にある〇〇dB(デシベル)で音量を調整します。
動画のフェードインの時と同じような感覚でキーのアイコンを押して決定しましょう。
設定したキーはタイムライン上の音声クリップに反映されますので手動で調整することも可能です。
グラフを自分の手で編集できる感覚で見やすく操作もしやすいので状況によってはこちらがやりやすいということもあるかもしれません。
単純なフェードイン/フェードアウトであれば開始時に音を小さくして次第に大きくする、終了時には小さくして0dBにする、でいいかと思います。
タイムライン上で音量の大小を編集する場合、映像の内容を見ながら映像側の内容にあったタイミングで音量に変化をつけることができます。
映画やアニメのようなものに音声を付ける場合はタイムライン上で場面の雰囲気に合わせて音量を調整しましょう。
上記までで紹介したフェードイン/フェードアウトの方法はすべて手作業で行うものです。
そのためいちいちエフェクトパネルからドラッグ&ドロップしていては手間がかかります。
ショートカットもありますのでそれを覚えてしまいましょう。
タイムライン上で動画/音声クリップを選択し、Ctrl+Dを押すだけで指定したトランジションのエフェクトを設定できます。
トランジションエフェクトの設定はエフェクトパネルのビデオトランジション、オーディオトランジションの各項目で右クリックすると「選択したトランジションをデフォルトに設定」というメッセージが表示されます。
よく使いそうなエフェクトを設定しておきましょう。
PremiereProのフェードイン/アウトを付ける方法をマスターして演出効果を高めよう
今回はPremiere Proでフェードイン/フェードアウトを設定する方法の解説でした。
映像や音声のフェードイン/フェードアウトは映像を次第に明るくしていく、暗くしていく、音量を上げる下げる、というだけの短運な作業と考える人もいるかもしれませんがそれによって場面ごとの雰囲気を演出することもできる奥深いものです。
映像や音声の持つ特性を理解し視聴者の没入感が高くなる動画作品を作っていきましょう!