今回はフリーの3DCGソフトであるBlenderでモデリングした3Dモデル用にテクスチャを作成する方法を解説していきます。
以前Blenderでテクスチャを作る前段階であるUV展開について解説していました。
その時はUV展開がメインの内容で、テクスチャ作成については軽く触れている程度でした。
今回の記事はテクスチャを作る方法を中心に解説していきます。
モデリングやレンダリングの方法に合わせてテクスチャを作るコツがいくつかあります。
そのコツを意識してテクスチャを描画するようにしていけばいい質感の3Dモデルができるようになるでしょう。
- 前半でテクスチャを作成する方法3種類
- 後半でテクスチャ描画する際のコツ
上記のものを解説していきます。
記事を読み終えるとBlenderで3Dモデ用にテクスチャを作る方法がわかりますのでぜひ最後までご覧になってください。
今回の記事はテクスチャを作成する際にAdobe Substance 3D Painter を使います。
体験版もありますので興味のある人は使ってみましょう。
Blenderテクスチャの作り方:基本編
ではまずBlender用にテクスチャを作る基本的な方法を解説します。
Blenderにかぎらず3DCGでテクスチャを作るという作業は モデリングしたオブジェクトの展開図を作り、その展開図に質感や模様などを描画していく作業になります。
テクスチャ作成もガチでリアルなものを作ろうとする場合、かなりの情報量になってしまいます。
この項目では概要と作業のだいたいの流れを解説しておこうと思います。
3DCGではいろいろなものをモデリングしますが主にキャラクターのテクスチャ作成について解説していきます。
この記事の後のほうの項目でキャラクター以外の作成も解説しておこうと思います。
テクスチャ作成の基本的な考え方
さいころを例にして きわめて基本的な解説をします。
まず立方体の箱を切り裂いて展開図を作ります。
その展開図に赤、黒の模様を描画するとさいころになりますね。
このような作業を他のより複雑なオブジェクトにも施すことでオブジェクトにしアリティを持たせることができるようになります。
例えば人体の場合は展開図を作成した後、筋肉や骨格による凹凸、日焼け、血管の走っている様子…などなど多くの情報をイメージすることでよりリアルなテクスチャを描画することができます。
衣服の場合もどんな素材が使われているかイメージし、、服として使い始めてから時間が長く経っているなら退色しているためその色の変化を意識するなどするといいでしょう。
ただ、形状が複雑になっても塗り方などの手数が増えて作業が複雑になるだけで、基本的な流れは同じと言えます、
どのような3Dモデルであろうと大枠の流れとしては下記の手順でテクスチャを作成していきます。
- Blenderに3DCGモデルを用意
- シームの設定
- UV展開
- テクスチャの作成
では今回は筆者が趣味でモデリングした呪術廻戦の宿儺でとりあえずBlender用にテクスチャを作成する方法を解説していきましょう。
(以下に続く作業のうちシームを入れる、UV展開する作業はUV展開の記事で解説していますのでそちらの方が詳しいです)
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Blenderに3DCGモデルを用意
まずは作成済みのキャラクターモデルをBlenderで用意します。
モデリングはBlenderでもできますし、MAYAなどの他の3DCGソフトでモデリングしたものでもOKです。
ローポリゴンモデルはテクスチャ作成前では表面がつるつるのような状態なので何を作っているのかわかりませんよね。
このモデルにテクスチャを設定していきます。
今回はテクスチャの作り方の解説なのでモデリングそのものの方法は割愛します。
キャラクターモデリングをしたい方は方法を解説していますので下記の記事もご覧になってみてください。
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シームを入れる
3DCGのモデルにシームと言い、展開図を作るときの切れ目を設定していきます。
シームを設定したいエッジを選択して右クリック、Mark Seamで設定できます。
UV展開
シームを設定し終えたらUV展開です。
3Dモデルを選択しエディットモードに切り替え、メッシュを全選択。
Uキーを押してUnwrapを選択します。
シーム設定、UV展開の手順はこちらのUV展開の記事で解説していますのでご参照いただければと思います。
BlanderでUV展開する方法を知りたいっす Blenderなど、3DCGのソフトを使い始めたころはテクスチャをどうやって設定すればいいのか、UV展開とはどうすればいいのかわかりづらいかと思います[…]
テクスチャの描画方法3種類
テクスチャを設定する方法はいくつかパターンがあります。
例えば以下のような方法です。
- Blenderのペイント機能でダイレクトに描画する
- Photoshopなどのペイントツールで描画する
- Substance 3D Painterなどの3D用テクスチャ作成ツールで描画する
上記の中で一番テクスチャを作りやすいのは、
③Substance 3D Painterなどの3D用テクスチャ作成ツールで描画する
…です。
Substance 3D Painterは3Dビューポートにモデルを表示してそのモデルを見ながらテクスチャを描画していくことができます。
3Dの空間の中で立体物に直接筆を使って模様を描いたり、質感を付けていくことができるので出来上がりのイメージがしやすいのです。
またマテリアルも Substance 3D Community Assets というサイトからダウンロードできるため自分でマテリアルを作らなくてもいい、など作業効率を上げられることも大きな利点です。
①のBlenderのペイント機能でダイレクトに描画する、についてはテクスチャの描画もモデリングの調整も同じソフトウェア内部でできてしまうので便利なように聞こえます。
しかし、私の知る限り現在はあまりブラシやマテリアルの種類があまりないのでSubstance 3D Painterのほうが作業がしやすいと感じますね。
②のPhotoshopなどのペイントツールで描画する …は、Substance 3D Painterのようなテクスチャ作成ツールが登場する前までは多くのクリエイターが使っていた方法ですが今でもモデルの内容によっては有効です。
例えばアニメっぽいシェーディングのキャラクターを作る場合はPhotoshopでも大丈夫です。
①Blenderのペイント機能でダイレクトに描画する:方法を超軽く解説
Blender内でテクスチャを描画する方法を一応軽く極めてざっくりと解説しておきます。
(ここではモデリング作業、UV展開が完了している前提で解説しています。)
- 画面上部のメニューバーでワークスペースをTexture Paintに選択しておきます。
- TexturePaintモードにしておきます。
- Texture Slotにテクスチャを追加します。(Base Colorなど)
- カラーを選択します。
とりあえずこれで3Dビューを見ながらテクスチャ描画することができます。
ブラシツールで手描き、バケツツールで塗りつぶし、指先ツールでこする、などはPhotoshopなどで作業するのと同じ感覚です。
ガシガシ描きこんでモデリングしたオブジェクトに色を付けていきましょう。
シンプルなモデルならまぁまぁ対応可能と思われます。
ペイントツールの使い方には自信ある!という方も挑戦してみるといいでしょう。
マテリアル設定などうまく組み合わせるとBlenderでもリアルなテクスチャを作ることができるかもしれません。
②Photoshopなどのペイントツールで描画する
Photoshopなどのぺイントツールで作成する場合、UV展開後にそのUV情報を書き出してからテクスチャを描画していきます。
UVの書き出し方法は選択したモデルをEditモードにし以下の操作を行います。
- UV Edittingモードにし、
- UV を選択、
- Export UV Layout を選択
これでUV展開図の情報を書き出せます。
UV情報は上記の画像のようになりました。
Photoshopで上記のUVの画像の上にレイヤーを置き、その位置に合わせてペイントしテクスチャを作ることができます。
ノーマルマップやラフネスマップもPhotoshopで作成することもも可能ではあります。
ただ、凹凸が多いモデルの場合はかなり面倒な作業になりますのでお勧めはしません。
③Substance 3D Painterなどの3D用テクスチャ作成ツールで描画する のほうが個人的にはやりやすいと思います。
上記の画像のようなアニメっぽい感じのキャラクターモデルの場合はPhotoshopで作成しても問題ないかと思われます。
ベースカラーを塗って、その上に肌の色にグラデーションをつけて立体感を出したり、衣服の模様を描画していきましょう。
(ただ、個人的にはアニメっぽいモデルやローポリモデルであってもSubstance 3D Painterのほうが作業はしやすいと思います。)
③Substance 3D Painterなどの3D用テクスチャ作成ツールで描画する
ここではSubstance 3D Painterでテクスチャを描画する大まかな流れを解説します。
Substance 3D Painterは3Dビューでモデルに色が塗られていく様子を直接確認しながら作業を進めることができます。
さらにSubstance 3D Communityというマテリアル・テクスチャのデータベースから様々な質感をダウンロードできますので作業効率が非常にいいです。
ローポリモデルを読み込みます。
読み込んだだけの段階ではまっさらな状態ですね。
ハイポリモデルのデータでデティールをベイクします。
筋肉や衣服の凹凸が追加されました。
ベースカラーをペイントします。
肌や衣服の質感を追加していき、完成。
以上、テクスチャの作成方法を紹介するというブログの内容上 あえて3種類紹介してきましたが3DCGのテクスチャ作成方法は
- Substance 3D Painterなどの3D用テクスチャ作成ツールで描画する
2022年現在個人的にこれ一択という気がします。
月額使用料は発生しますがモデリングを長く続けるなら、仕事でモデリングをするならSubstance 3D Painter を使うことをおすすめします。
Blenderでテクスチャを作る方法:応用編
ゲームの原神とかに出てきそうな感じのキャラクターモデルを例にしてアニメっぽいキャラのテクスチャ作成を考えてみましょう。
Vroidでベースのキャラクターを作成し、Blenderで装飾品をモデリングしました。
顔や体部分のテクスチャはそれをベースにしてさらに色を加えてあります。
場合は肌の質感を細かく描画して立体感を出していくというよりはきれいに彩色しグラデーションを付けていくなどしたほうがいいでしょう。
各パーツに彩色し、肌や衣服などの部分に少しグラデーションを入れるだけでまぁまぁいい感じになると思います。
Vroidで一度作成したモデルを編集する場合、素体となる顔、体、髪のメッシュは出来上がっていてさらにUV展開の情報も設定されているため作業効率が非常にいいですね。
装飾品など細かいパーツを追加していくだけでモデルが出来上がっていくので適宜取り入れると時短になっていいのではないかと思います。
3DCGでテクスチャを作るうえでのポイントなど
テクスチャを作成するうえで大事なことは観察力、イメージ力かと思います。
これはBlenderに限らずテクスチャを作成する際にMAYAなどでもいえることでしょう。
モデリングやアニメーション作成でも共通していますが作成する対象物がどんなものであるか理解しておくことは重要です。
上記のような牛骨のテクスチャを作るなら、時間が経過して表面の色が褪せてきたり、ほこりなどが付着して汚れてきたりします。
張り出している部分は明るめの色になりやすいということもあります。
そのようなことも観察によってわかってくるでしょう。
テクスチャリングもモデリングもマスターする方法
3DCGのスキルをマスターするには専門の指導を受けるほうが近道です。
例えばアミューズメントメディア総合学院ではゲーム開発会社・アニメ制作会社で仕事をする上で必要なの3DCGスキルを2年間で身に着けることができます。
この学校から就職、転職を達成し夢をかなえている人もかなりいます。
パンフレットには生徒作品やBefoe&Afterなどの作品もありますので取り寄せてみてみましょう。
まったく3DCGの制作経験がなかった人が就職を果たす直前に作った3DCGのキャラクターモデルなどを見るとsの成長ぶりにびっくりします!
資料請求は無料でできます!
また他の多くの専門学校の情報はこちらにまとめてありますので3DCGを学んでみたいという方は下記のリンクから是非ご覧になってください。
CGの専門学校に行きたいけど、どれがいいんだろう? CGの専門学校ってどんなところがあるの? CGの専門学校を選ぶときにはどこに気を付ければいいんだろう? CGデザイナーに転職す[…]
Blenderでテクスチャを作る方法をマスターしてモデルをリアルにしていこう
今回はBlenderでテクスチャを作る方法を解説しました。
Blenderでテクスチャ作成する基本的な流れは以下の通りでした。
- Blenderに3DCGモデルを用意
- シームの設定
- UV展開
- テクスチャの作成
対象物のことをよくイメージし、適した質感を与えていくようにしましょう。