個人でゲーム用のアイテムをモデリングする場合はBlenderを使えば簡単にできます。
剣は人工物で幾何学的な形状のパーツが多いためBlenderで立方体や円柱のメッシュを変形させていけば作りやすいです。
この記事ではBlenderでゲーム用に剣をモデリングする流れを紹介していきます。
(おまけでSubstancePainterでテクスチャを設定もします)
最後まで読んでいただければゲーム用の武器のモデリングの一連の方法がわかるようになります。
それでは行ってみましょう。
Blenderについて
Blenderは統合型の3DCGソフトで、無料で使えます!
統合型の3DCGソフトとは、モデリング、アニメーション、エフェクト、映像作成と3DCGで行うほぼすべての作業ができるソフトウェアのことです。
すべての機能が無料で使えるので個人でゲームを作りたい人や小人数のグループでアニメーション作品を作りたい人にも人気です。
興味のある方はぜひ試してみてください。
モデリングする剣について
今回モデリングするのはゲーム用の剣で、ヨーロッパで使われていた両手剣(ツヴァイハンダー,Two hand sword)をモデルにします。
完成するとこのような剣になります。
モンスターハンターのような大型のモンスターを倒すために2m程度の長さがある剣をふるって戦う‥‥このよう設定のゲームのために作ることをと想定しています。
このゲームの世界では剣は消耗品なので一つ一つに飾りはつけないという考え方をします。
そのため形状はシンプルにします。
サイズ感は上記の画像のようなイメージです。
この画像では、剣の全長は2m。それを扱う人間のほうは身長170~180cmです。
この程度の大きさの関係なら人間より大きいモンスターも剣で倒せる‥‥かもしれません。
①Weapon: A Visual History of Arms and Armor
実物の武器の写真が掲載されており、質感がイメージしやすいです。
眺めているだけでも楽しめます。
洋書なので英語の勉強にもなるかもしれません!
ヨーロッパで使われていた剣、槍、鎧などの歴史的な経緯や使用方法などのエピソードが豊富です。
モデリングするときは単純に形だけでなく作られた背景や各パーツがどういう目的で作られているかなど知っておくと作るときにイメージがしやすくなります。
興味のある方はチェックしてみてください!
Blenderで剣をモデリングする
それではここからBlenderで剣をモデリングする方法を紹介していきます。
大枠の流れは以下のようになっています。
①デザイン画用意
②キューブとシリンダーの形状を編集しておおまかなモデリングをする
③刃、鍔、柄、各パーツのデティールを作る
④上記までのモデリング完了後UV設定
⑤SubstancePainterでテクスチャ作成
①デザイン画用意
剣のデザイン画はこのような感じです。
これをもとにモデリングしていきます。
②キューブとシリンダーの形状を編集しておおまかなモデリングをする
まず、Shift+A でキューブを1つとシリンダー2つのメッシュを3Dビューポートに出し、編集モードで画像のような形にします。
最初に大枠の形状を作っておけば全体のパーツごとの比率も把握しやすく、途中で形が狂うこともなくなります。
キューブを刃部分、シリンダーを剣の鍔と柄にしています。
③刃、鍔、柄、各パーツのデティールを作る
キューブの面をループカット(Shift+R)でエッジを入れます。
あたらしく作ったエッジをここから移動させて刃の形を作っていきます。
エッジを入れたらy軸方向にある面を広げ、x軸方向にあるポリゴンをx軸方向に移動し剣先と刃の形を作っていきます。
剣先のポリゴンを画像のような順に編集していきます。
ループカットとナイフツール(K)で剣先の形を整えていきましょう。
柄と鍔の部分もモデリングしていきます。
ヨーロッパの両手剣の刃の付け根の部分は、刃になっていないものがあるのでそれらいい形にしておきます。
鍔にリングも付け(敵の攻撃から手を守るためのものらしいです)形を整えました。
これまで刃、鍔、柄とパーツごとに作っていましたがマージ(ctrl+J)で一つのオブジェクトにまとめておきます。
④Blenderでモデリング完了後、UV設定
最初にシームを設定する必要があるので エッジを選択し、右クリックで「シームをマーク」を選択します。
そこからUキーを押して「展開」を選択します。
UVが設定できました。
上記の場合UVの空きスペースが多いので後に他にアイテムを作ったら隙間に配置することにして、今回はこのまま先へ進めます。
⑤SubstancePainterでテクスチャ作成
SubstancePainterでテクスチャを設定してみました。
刃部分に紋章のようなものを入れたり、
柄や刃に細かい傷跡をいれてみると使い込んでいるような雰囲気が出ていいかもしれません。
完成
最終的にこのような剣になりました。
3DCGのモデリングスキルを学ぶには?
3DCGは独学で学ぶこともできます。
しかし仕事レベルのスキルを身に着けるには独学ではものすごく時間がかかります。
というかそもそもどんな技術が必要なのか、どんなレベルを目指せばいいのか、その知識や情報が手に入る段階に達するのにも時間がかかってしまいます。
趣味で作りたいものを作るだけなら独学でも十分です。
しかし将来3DCGデザイナーになりたいのなら専門的な教育を受けたほうがスキルアップも確実に早くできます。
実際に必要なスキルは何か知ったうえで経験豊富な講師の方から指導を受けましょう!
これから3DCGを学びたい方は3DCGのスクールにいくことも検討してみましょう。
まずはこちらから資料請求し、体験説明会にも参加してみましょう!どちらも無料で出来ます!
終わりに
ここまで、Blenderで剣のモデリングする方法を以下の手順で紹介しました。
①デザイン画用意
②キューブとシリンダーの形状を編集しておおまかなモデリングをする
③刃、鍔、柄、各パーツのデティールを作る
④上記までのモデリング完了後UV設定
⑤SubstancePainterでテクスチャ作成
ここでモデリングした剣はUnityやUnrealEngineに読み込んでゲームモデルとして使えます!!
いろいろな武器を作ってみてください!
今回のモデリングで使った3DCGソフト・Blenderに関しての情報はこちらからどうぞ!
今回参考にした本
①Weapon: A Visual History of Arms and Armor
世界各国の歴史上実際に使われていた武器の写真を収録した本です。
実物の写真安良で質感がわかりやすい。マテリアル、テクスチャの参考に役立ちます。
②武器と防具 西洋編 (新紀元文庫) 文庫
ヨーロッパで使われていた剣や槍、鎧などの解説がわかりやすかったです。
ビジュアルのみでなく、実際にどのように使われていたのかなど知っておけばモデリングするときにイメージが作りやすいでしょう。